セミの抜け殻は、単なる観念的なスピリチュアルアイテムにとどまらず、伝統医療の世界でも確固たる地位を築いてきました。東洋医学・漢方の世界では、セミの抜け殻を「蝉退(せんたい)」と呼び、熱を冷まし、体内の毒素や邪気を取り払う高貴な生薬として重用されてきた歴史があります。
この「体内の毒を排出する」という薬理作用のイメージが転じ、民間信仰では強力な魔除け・厄除けの力を持つと信じられるようになりました。殻が中身を守り抜いて無事に成虫を送り出したことから、「持ち主を悪意やトラブル、災厄から身代わりとなって守ってくれる盾」としての役割を担っていると考えられているのです。邪気払いを意識する場合、神棚や部屋の北東(鬼門)に置くのが効果的とされています。