「never ending world」に込められた真のテーマは、「他者を救うことの欺瞞と、それでも祈らずにはいられない人間の業(ごう)」の受容です。多くのJ-POPが「絆」や「未来への希望」を一斉に歌い始めた2011年当時、SEKAI NO OWARIが提示したのは、あまりにも冷徹で、かつ純度の高い自己内省の記録でした。
楽曲の制作が始まったのは、2011年3月11日の東日本大震災直後のことです。計画停電や連日の報道により日本全体が沈鬱な空気に包まれるなか、バンドの共同生活拠点である「club EARTH」でも激しい揺れと混乱が発生しました。当時、音楽活動を続けること自体の意味を見失いかけたSaoriが、言葉にならない感情をピアノの旋律へとぶつけたことがすべての発端となります。
当時の音楽雑誌の特集インタビューにおいて、Saoriは「テレビから流れる凄惨な映像を見つめながら、自分がいかに無力であるかを思い知らされ、ただ泣きながら鍵盤を叩いていた」と述懐しています。その重く美しいピアノのモチーフを受け取ったFukaseが、偽りのない感情をノートに書き殴ることで、この楽曲の輪郭が形成されていきました。