イギリスの民放局ITVの枠内で産声を上げた本作品は、テレビジョンというメディアが到達し得る最高のヒューマンドラマとして評価されてきた。『Up シリーズ』として回を重ねるごとに、視聴者は画面の中の若者たちが傷つき、迷い、家族を持ち、老いていく姿を、自身の人生と重ね合わせるようになる。
階級社会の厳しい現実に直面する者、途中で出演を辞退する者、そして病や死に直面する者。一切の台本が存在しない素の人生が紡ぎ出すドラマは、どんな創作フィクションをも凌駕する重みを持つ。テレビドキュメンタリーが人間の「生」そのものを記録するツールとなり得ることを、ITVの野心的な試みは見事に証明してみせた。