眉毛を抜く癖を持つ人の心理プロファイルを分析すると、いくつかの共通するパーソナリティが浮かび上がってきます。代表的なものが「過度の完璧主義」と「感情の自己完結傾向」です。
「左右の眉の形がほんの少し非対称である」「一本だけ太く硬い毛が生えている」「毛流れが乱れている」といった微細な違和感が気になり始めると、それを指先で探り当て、排除せずにはいられなくなります。このタイプの人にとって、抜毛は単なる破壊衝動ではなく、「乱れを正して完全な状態にしたい」という秩序への過剰な執着から派生しています。一本抜くだけで終わるはずが、全体のバランスが崩れたように見え、結果として眉頭から眉尻までごっそりと抜き去ってしまうケースが典型例です。
また、臨床現場の心理カウンセラーが指摘するのは、「怒りや不安を外に表出できない人々による自己鎮静行動」としての側面です。職場での理不尽な要求や家庭内での軋轢を感じても、他者へ怒りをぶつけられない真面目な人ほど、その攻撃性を自身の身体へと向けます。眉毛を抜く行為は、無意識のうちに自分を傷つけ、コントロール不能な環境の中で「自分の体だけは自分で制御している」という歪んだ全能感を一時的に得る代償行為となっているのです。
さらに見過ごせないのが、小児期や学童期における子供の眉毛抜き癖です。子供が眉毛やまつ毛を抜き始めた場合、その原因の多くは学校での人間関係や過酷な受験勉強、そして親の過度な期待による家庭内の緊張関係にあります。家族関係の境界線(心理的バウンダリー)が曖昧で、親の意向を過剰に察知してしまう子どもは、言葉にできない重圧を「抜毛」という身体症状で無自覚に発散しようとします。周囲の大人が「汚いからやめなさい」と叱責することは、子どもの孤立感を深め、症状を水面下で悪化させる最大の要因となります。