本館の大きな特徴は、町子と毬子の姉妹が私財を投じて収集した膨大な日本近代美術のコレクションだ。横山大観、川合玉堂、平山郁夫といった日本画壇の巨匠たちの名作をはじめ、西洋絵画や彫刻、ガラス工芸に至るまで、その審美眼は恐ろしいほどに研ぎ澄まされている。
漫画で得た収益を惜しげもなく美の名品へと注ぎ込み、それを独占することなく社会に還元するために設立されたこの美術館。漫画という大衆芸術の頂点を極めた町子が、古典や絵画の至宝から何を学び、自らの線へと還元していたのか。展示される名画と彼女の原画を見比べることで、美の系譜が一本の線でつながるスリリングな体験を味わえる。