本作の圧倒的なリアリティは、緻密に練り上げられたキャスティングから生まれています。演技派俳優と身体能力に優れたアスリート俳優が見事に融合し、濃密な人間模様を描き出しました。
小瀬清/猿桜(演:一ノ瀬ワタル)
本作の主人公。借金を抱えた家庭で育ち、金と名声を求めて相撲界に飛び込んだ破天荒なヤンキー青年。元キックボクサーとしての格闘技経験と長い下積み時代を経て、過酷なオーディションを勝ち抜いて主役の座を掴み取りました。ふてぶてしさの奥にある純粋さと孤独を、剥き出しの身体表現で体現しています。
清水役(演:染谷将太)
清の唯一無二の理解者であり、猿将部屋の兄弟子兼マネジメント的存在。自身は力士としての体格に恵まれず挫折を味わいながらも、相撲への純粋な愛情を捨てきれず清の才能を信じて支え続けます。日本映画界屈指のバイプレイヤーである染谷将太の繊細な演技が、荒々しいドラマに深い情感をもたらしました。
国嶋飛鳥(演:忽那汐里)
相撲界の旧態依然とした体質や男尊女卑の風潮に反発する若手新聞記者。大手新聞社の花形部署から不本意にも相撲担当へ左遷され、最初は角界を軽蔑していたものの、清の型破りな相撲と情熱に触れる中でジャーナリストとしての覚悟に目覚めていきます。
猿将親方(演:ピエール瀧)& 花(演:小雪)
経営難に苦しみながらも清の才能を見抜き、型破りな指導で育て上げる猿将部屋の親方夫妻。ピエール瀧が見せる懐の深いリアリズムと、部屋を裏で牛耳る女将・花役の小雪が放つ冷徹かつ妖艶な存在感が、部屋の閉塞感と家族的な絆を重層的に際立たせています。
静内役(演:佳久創)
過去の悲劇的なトラウマを抱え、土俵上で鬼神のような強さを誇る最強のライバル力士。顔の右半分にある火傷の痕と無口な佇まいで圧倒的な威圧感を放ちます。
猿谷(演:澤田賢澄)
猿将部屋の屋台骨を支えるベテラン関取。膝の古傷に苦しみながらも相撲道を全うしようとする真摯な姿が、多くの視聴者の涙を誘いました。