陸上男子短距離において、日本人が世界のトップファイナリストと肩を並べることは長年「極めて高い壁」とされてきました。その壁を打ち破ったサニブラウン選手の強みは、ストライドの大きさとブレない体幹の強さにあります。
ラティフさんから受け継いだガーナ特有の柔軟な腱と骨盤の傾斜、しなやかな筋肉のバネは、トップスピードに乗った際の推進力として存分に発揮されています。また、アフリカンルーツならではのリズム感は、スタート後の加速局面で力みを逃し、スムーズに最高速度へ移行する大きな助けとなっています。
日本人離れしたフィジカルエリートとしての肉体美と、母から受け継いだ日本の緻密なスプリント技術が融合した結果、100メートル9秒台という記録と世界選手権での日本人史上初となる複数回ファイナル進出という偉業が達成されました。