就活市場で常に話題となるのが、三菱商事の採用倍率の高さと「学歴フィルター」の存在有無です。例年、同社の新卒採用枠(総合職)は約100名〜130名程度に対して、プレエントリー数は1万人〜1万5,000人規模に達します。単純計算でも採用倍率は100倍〜150倍前後を推移しており、書類選考や適性検査の段階で9割以上の候補者が涙を呑む構造です。
では、インターネット上でまことしやかに囁かれる「特定大学以外は書類で落とされる」という学歴フィルターの噂は本当でしょうか。採用関係者への聞き取りや過去数年分の内定者データを検証すると、大学名だけで機械的に合否を分ける足切りは行われていません。事実、地方国立大学や中堅私立大学からの内定獲得実績も毎年一定数存在します。
しかしながら、結果として内定者の大半が東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学、一橋大学、東京工業大学(現・東京科学大学)、海外トップ大学で占められているのは事実です。この現象が生じる構造的な理由は、三菱商事の求める人物像が関係しています。同社は「三綱領(所期奉公・処事光明・立業貿易)」を理念に掲げ、高い倫理観を持ちながら不確実な環境で新規事業を切り拓く資質を求めています。厳しいペーパーテストや難関選考を突破してきた層は、論理的思考力や課題解決への粘り強さを高い水準で兼ね備えている確率が高く、結果的に合格者の学歴構成が上位校に偏る構図が生まれています。