スローなブギにしてくれの魅力を解剖!浅野温子の熱演と主題歌の真実に関する注目トピックを分かりやすく解説します。最新情報を求める方は必見です。

本作を伝説たらしめた最大の功績は、キャスティングの奇跡的な成功にあります。特に主演の二人が見せた鬼気迫る熱演は、今なお邦画界の語り草となっています。

ヒロイン・さち乃を演じた浅野温子は、当時若干20歳。野良猫のように気まぐれで、無邪気さと蠱惑的なエロティシズムを併せ持つ難役を、体当たりのヌードも辞さぬ圧倒的な存在感で演じ切りました。監督からの過酷な要求に応え、感情を剥き出しにしてスクリーン上で躍動する彼女の姿は、「昭和のミューズ」の誕生を強烈に印象づけました。

対するゴロー役の古尾谷雅人は、前年の映画『ヒポクラテスたち』(大森一樹監督)で数々の新人賞を総なめにした直後の出演。寡黙で不器用、内面に激情と繊細さを秘めた青年像を完璧に造形し、当時の若者のリアルな代弁者としての地位を確立しました。このほか、圧倒的な色気を放つ中年男を演じた山崎努、情念の深さを見せつける倍賞美津子、さらに原田芳雄や室田日出男といった日本映画界の名優たちが脇を固め、重厚な人間ドラマを構築しています。