ネット上では時折、「B'zは動員力があるからフェスで盛り上がっただけ」「ファンがスタジアムを占拠しただけではないか」という偏った見解が散見されます。しかし、これは現場のリアルな実態を見誤った誤解です。
実際のサマソニ現場では、B'z目当てのファンだけでなく、前後のアクトを目当てに来場していた洋楽ファンがスタジアムのアリーナやスタンドに大勢滞留していました。そうした普段は邦楽を聴かない層が、1曲目の重厚なリフと圧倒的な音圧を浴びた瞬間に足を止め、そのまま最後まで熱狂に巻き込まれていったのがサマソニ伝説の神髄です。
また、セットリストもいわゆる「お茶の間向けのバラード」に逃げることなく、「juice」「ギリギリchop」「さまよえる蒼い弾丸」といった、フェスのフィールドで最も破壊力を発揮するハードなロックチューンを中心に構築されていました。フェスの文脈を完璧に理解し、ロックバンドとしての矜持を真っ向からぶつけたからこそ、目の肥えたオーディエンスを唸らせたのです。
【プロの結論】音楽受容の構造変化とB'zが遺した教訓
B'zがサマソニで成し遂げた偉業は、日本の音楽シーンにおける「ジャンル分けの壁」を打ち破った点に最大の意義があります。かつて存在した「洋楽至上主義」と「邦楽ヒットチャート」という無意味な二項対立を、圧倒的な技術とパフォーマンスという純粋な実力だけで無効化してみせました。
ここから得られる教訓は、「どんなにアウェイな環境であっても、徹底した実力とブレないアイデンティティがあれば、偏見や先入観は必ず覆せる」ということです。洋楽・邦楽というラベルに惑わされず、本物のロックを体感したいリスナーにとって、B'zのフェス史は今なお学ぶべき価値のある最高の教科書と言えます。