映画クライマックスとなる観柳邸でのバトルシーンは、シリーズ全編を通じても屈指の名勝負として知られています。畳敷きの大広間から廊下、中庭へと舞台を移しながら繰り広げられる緋村剣心(佐藤健)と外印(綾野剛)の激闘は、カットを極力割らずに長回しを多用した超高速バトルでした。
このシーンの凄まじさを支えたのが、谷垣健治アクション監督率いるスタントチームの緻密な設計と、俳優陣の規格外の身体能力です。中学・高校時代に陸上競技(800m走)で岐阜県大会準優勝などの実績を持つ綾野剛は、その天性のバネとしなやかな体幹を活かし、アクロバティックな身のこなしをスタントなしの生身で体現しました。
当時の現場取材やインタビューにおいて、佐藤健と綾野剛は以下のような撮影秘話を明かしています。
「お互いに一切の手加減なしでぶつかり合った。剛くんの踏み込みの速さとリーチの長さは本当に恐ろしかった」(当時の特番インタビューにおける佐藤健の証言)
「健の動きは次元が違った。彼が本気で来るからこそ、自分も極限まで身体を追い込み、外印という狂気を剥き出しにすることができた」(メイキング特番での綾野剛の述懐)
二丁拳銃を乱射しながら間合いを詰め、至近距離でナイフを交差させる「ガン・カタ」のような近接戦闘。そしてワイヤーで宙を舞いながら剣心の逆刃刀と火花を散らす攻防は、CG全盛の時代において「俳優自身が限界を超えて演じる実写アクションの極致」として日本映画史に刻まれました。