入れ歯安定剤を使用する上で、最も警戒すべきは「痛みが消えたからといって、歯科医院での定期調整を怠ること」です。
合わなくなった入れ歯と歯ぐきの間には目に見えない隙間が生じています。そこに厚みのある安定剤を充填して噛み続けると、噛み合わせの高さ(咬合高径)が変わり、顎関節症や偏頭痛の引き金になることがあります。さらに深刻なのは、義歯の下で繁殖するカンジダ菌(口腔カンジダ症)の温床となる点です。
入れ歯安定剤、特に数日間つけっぱなしにできるタイプのクッション剤は、表面に無数の微細な凹凸が生じやすく、そこに細菌やカビが定着します。「外すのが面倒だから」「安定しているから」と数日間義歯を外さずに過ごす行為は、歯ぐきの発赤・潰瘍、さらには誤嚥性肺炎のリスクを高める極めて危険な行為と言わざるを得ません。