半世紀を超えるルパン三世の歴史において、石川五右衛門の声を演じた声優陣の変遷は、キャラクターの魅力を深化させる決定的な要素となってきました。
第1シリーズで初代を務めた大塚周夫は、血気盛んで荒々しい「若き刺客」としての五右衛門をエネルギッシュに熱演しました。続いて1977年の第2シリーズ(赤ジャケット)から2010年まで、約33年間という長きにわたり役を務めたのが名優・井上真樹夫です。井上の低音で艶のある美声と、張り詰めた緊張感の中に漂う色気は、「和の美学を極めた孤高の剣客」という五右衛門のパブリックイメージを不動のものにしました。『ルパン三世 カリオストロの城』をはじめとする数々の名作映画で放たれた名セリフは、今なおファンの記憶に鮮烈に刻まれています。
2011年のテレビスペシャル『血の刻印 〜永遠のMermaid〜』からは、実力派の浪川大輔がバトンを引き継ぎました。当初は偉大すぎる先代のイメージとの比較にプレッシャーも囁かれましたが、回を重ねるごとに五右衛門の生真面目さと若武者の青さを絶妙なバランスで表現し、確固たる支持を獲得しています。