乳がん初期症状にかゆみはある?胸のムズムズに潜む病気と見分け方

乳がん初期症状にかゆみはある?胸のムズムズに潜む病気と見分け方

乳がん初期症状にかゆみはある?胸のムズムズに潜む病気と見分け方について押さえておきたい 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

かゆみや皮膚症状が前面に出る代表的な悪性腫瘍として、絶対に知っておくべき疾患が「乳房パジェット病(Paget病)」と「炎症性乳がん」の2つです。これらは全体の乳がんの中で数パーセントと頻度こそ高くありませんが、一般的な検診の触診だけでは見落とされやすい特徴を持っています。

まず、乳頭や乳輪に特異的な変化を起こすのが乳房パジェット病です。乳管内に発生した悪性細胞(パジェット細胞)が乳管を通って乳頭の表皮へと広がることで発症します。初期には乳頭の軽いかゆみや赤みから始まり、徐々にじくじくとしたびらん(ただれ)を形成します。患者の多くが「アトピーや下着のかぶれ」と思い込み、皮膚科で処方された軟膏を使用しますが、乳房パジェット病の症状はステロイド治療では一時的に軽快しても根本的に消失することはありません。さらに進行すると、乳頭の陥没や乳頭分泌物に血が混ざるといった不可逆的な組織破壊へと繋がります。

一方、より急速な経過をたどるのが炎症性乳がんです。この疾患では、がん細胞が皮下の真皮リンパ管をびまん性に閉塞させるため、乳房全体に急速な発赤、熱感、腫大、そして強いかゆみや疼痛が生じます。典型的なしこりを作らず、皮膚表面の毛穴が目立って「オレンジの皮(peau d'orange)」のような外観を呈するのが決定的なサインです。炎症性乳がんの初期症状は蜂窩織炎(ほうかしきえん)や急性乳腺炎と極めて類似しているため、専門医による迅速な生検と画像診断が治療予後を左右します。

山口 彩花
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山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。