茹で調理で失われがちな酵素やビタミンを極限まで残し、かつ劇的に美味を向上させるプロの裏技、それが「低温蒸し調理法」だ。80℃前後の蒸気コントロールを意識しながら低温でじっくり時間をかけて加熱することで、細胞壁をやさしく解きほぐし、驚くほどの甘みを引き出すことができる。
高温で一気に加熱すると壊れやすいデンプン分解酵素のアミラーゼを生き残らせ、大根自体のデンプンを麦芽糖へと効率よく変換させるのがこの技術のキモである。さらに、皮のすぐ近くに最も多く含まれるビタミンCや食物繊維を損なわないよう、皮ごと厚切りにして蒸し上げるのもプロならではの技。薄皮を残したまま蒸された大根は、外はパリッとハリを保ち、内側はとろけるように甘く仕上がる。