結論から申し上げると、ル・シュクレクールは現在も北新地の地で力強く営業を続けています。それにもかかわらず「閉店」という噂がネット上で根強く検索され続けている背景には、かつて大阪府吹田市岸辺にあった伝説的旧店舗のクローズが関係しています。
2004年にJR京都線の岸辺駅近くにオープンした創業時の店舗は、住宅街の目立たない立地でありながら、連日全国からパンマニアが殺到し、数時間待ちの長蛇の列を作る社会現象を巻き起こしました。しかし、2016年5月、同店は岸辺での営業に幕を下ろします。当時の熱狂的なファンにとって「岸辺本店の閉店」は極めて大きな衝撃であり、その記憶が時を経た今も「ル・シュクレクール 岸辺 閉店理由」といった検索クエリとして残り続けているのです。
では、なぜ岸辺の店を閉める決断を下したのでしょうか。公式アナウンスや当時の取材記録によると、その理由は経営難などではなく、「職人が健全に働き続けられる労働環境の刷新」と「食事としてのパンをより深く体験してもらうための空間拡張」でした。旧岸辺店は厨房も売り場も手狭で、早朝から深夜まで極限状態での製造が続いていた経緯があります。また、緑豊かなテラス席を備え、ワインや料理とともにパンを楽しめる理想の食空間を具現化するため、堂島・北新地エリアの「新ダイビル」1階への全面移転を決断したというのが事実の全貌です。
ル・シュクレクール現在の状況を現地で確認すると、緑道に面したオープンテラスと洗練されたモダンな店内には、焼き立ての香ばしい薫りが絶え間なく漂い、オフィスワーカーから遠方からのトラベラーまで幅広い客層で賑わいを見せています。完全閉店どころか、都市型フラッグシップベーカリーとして確固たる地位を築き上げています。