ロッテが生み出した「霧の浮舟」がなぜ生産終了に至ったのかについては、長年ファンの間でも様々な推測が飛び交ってきました。最大の要因と目されているのが、独自のエアレーション製法に起因する製造コストとライン運用の問題です。
霧の浮舟は、チョコレート内部に微細な気泡を均一に抱き込ませる高度な技術で作られていました。この気泡構造は極めてデリケートで、夏場の温度変化や輸送時の衝撃に弱く、流通管理において高度な品質維持が求められます。2000年代以降、コンビニエンスストアやスーパーの棚割り競争が激化する中で、通年で安定した大量供給と高回転を求められるナショナルブランドとしての維持が難しくなっていった実情があります。
さらに、当時のチョコレート市場において「ビター系」「高カカオポリフェノール」「ナッツ入り」といった機能性や噛み応えを重視するトレンドが台頭したことも逆風となりました。決して人気が完全に失われたわけではなく、ブランドの選択と集中による製造ラインの再編が、惜しまれつつも販売終了を迎えた直接の引き金でした。