激震が走ったのは、長年手塩にかけて育て上げた組織からの突然の追放劇だった。株式会社ブシロード傘下で急成長を遂げ、女子プロレス界の絶対王者として君臨していたスターダム(STARDOM)。そのエグゼクティブプロデューサー職を解任された一報は、業界関係者のみならずファンにも強烈な衝撃を与えた。
表向きは契約違反や引き抜き疑惑と報じられたが、本質はそこではない。根底にあったのは、エンタメ企業としての合理的な拡大路線と、職人的な現場主義を貫くプロデュース美学との修復不可能な軋轢だった。商業的な成功を急ぐ親会社と、選手の個性と物語性を何よりも重んじる現場のトップ。双方が描く未来図のズレは、もはや修復不能な亀裂へと広がっていた。