「冬の女王」として君臨した広瀬香美ですが、近年のインタビューやメディア出演で明かした制作秘話は、ファンにさらなる衝撃を与えました。
なんと、この曲を作曲・作詞した当時、彼女自身は一度もスキーに行ったことがなかったのです。アルペンからのタイアップオファーを受けたものの、雪山の情景もウィンタースポーツの熱気も肌感覚としては知らなかったといいます。
そこで広瀬香美が取った戦略は、徹底したマーケティング視点でした。スキー場に行く若者の心理を想像し、「スキーに行く目的は滑ること以上に、恋人を作ることや合コンにあるのではないか」と分析。ロマンチックな雪景色の描写を削ぎ落とし、あえて「恋のハンティングにおける生々しい人間の本音」に焦点を当てて歌詞を書き上げました。
クラシック音楽の名門である国立音楽大学で作曲を学び、ロサンゼルスで本場のポップス理論を吸収した彼女は、高度な転調と難度の高いメロディに「下世話なほどリアルな歌詞」を乗せるという離れ業をやってのけたのです。この計算し尽くされたギャップこそが、時代を超えて残り続けるフックとなっています。