結論から申し上げると、「ローマ教皇」と「ローマ法王」が指している人物や役職に違いはありません。どちらも世界に約14億人の信徒を抱えるカトリック教会の最高指導者であり、世界最小の主権国家であるバチカン市国の国家元首を指しています。
では、現代において「どちらが正しいのか」という点については、宗教的な正式名称としても、現在の日本国内における公的表記としても「ローマ教皇」が正解となります。
両者の本質的な違いは、言葉の成り立ちと使われてきた文脈にあります。「教皇」という言葉には「教えの長」「信仰の父」という意味合いが強く込められており、キリストの教えを人々に伝える最高牧者としての立場を表しています。一方で「法王」という言葉は、かつて日本に西洋文明が入ってきた際、仏教における最高位の存在である「法王(仏・菩薩)」の概念を転用して当てはめた歴史的背景があります。
宗教的な意味合いを正しく反映しているのが「教皇」であり、日本国内で慣習的に広まった俗称が「法王」であったと整理できます。