ローマ教皇と法王の違いは?外務省が名称変更した真相と正しい呼称についての疑問解決ガイドをお届けします。

カトリック教会の公式見解において、ラテン語の「Papa(父)」、あるいは「Pontifex Maximus(最高司祭)」に対応する正しい日本語は一貫して「教皇」です。

宗教法人 カトリック中央協議会は公式見解として、「教皇とは全カトリック信徒の信仰の父であり、キリストの地上における代理者、使徒ペトロの後継者である」と定義しています。そのため、教会が発行する出版物、公式声明、典礼文書において「法王」という単語が使われることは現在ありません。

一方、国際政治における外交関係の観点からは、少し特殊な二重構造が存在します。

  • 国家としての実体:世界最小の主権国家である「バチカン市国(Vatican City State)」
  • 国際法上の主権実体:カトリック教会の総本山である「聖座(Holy See / ローマ教皇庁)」

日本に置かれているバチカン側の在外公館についても、かつては外交慣例上「ローマ法王庁大使館」と呼ばれていましたが、政府の呼称統一以降は「ローマ教皇庁大使館(駐日教皇大使館)」としての扱いが定着しています。外交相手国の精神的アイデンティティを尊重するという国際儀礼の観点からも、現在では「教皇」が完全に標準化されています。