現地の実権を握るタリバン内部の意思決定プロセスは、今なお極めて不透明だ。特に南部カンダハルに拠点を置く最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ氏を中心とする強硬派の意思決定は、カブールに置かれた実務主導の閣僚組織に対しても絶対的な影響力を持ち続けている。
外国人の拘束や処遇といった敏感な案件においては、カブールの治安当局が独自に動くことは許されず、常にカンダハルの最高指導者側への意向伺いが必要とされる。指導部内の思想的対立や実利主義派と教条主義派の摩擦が、拘束された外国人の解放交渉を著しく難航させる主因となっており、結果として現地の情報が断片化し、海外へは「処刑」といった極端な噂として歪曲されて伝わる構造を生み出している。