日本の環境対策に関して、最も誤解されやすい盲点が「日本のプラスチックリサイクル率の高さ」にまつわる実態です。
一般社団法人プラスチック循環利用協会の統計データによると、日本のプラスチック有効利用率は85%以上という高い数値を誇っています。これを見て「日本は世界トップクラスのリサイクル先進国だ」と認識されがちですが、その内訳を精査すると別の側面が見えてきます。
有効利用されているプラスチックのうち、約60%以上を占めているのは「サーマルリサイクル(熱回収)」です。これは、廃プラスチックを焼却炉で燃やし、その熱を発電や温水プールなどに利用する仕組みを指します。熱エネルギーを回収しているとはいえ、本質的には「プラスチックを燃やしてCO2を排出している」ことに変わりありません。
欧州連合(EU)や国際的な環境基準では、サーマルリサイクルは「リサイクル」とは認められず、「エネルギーリカバリー(熱回収)」として明確に区別されています。海外基準でマテリアルリサイクル(物から物への再生)やケミカルリサイクル(化学分解による原料化)に限定した場合、日本のリサイクル率は25%前後に留まるという厳しい現実があります。
「きちんと分別してリサイクルに出しているから、どれだけ使い捨てても大丈夫」という意識は危険な錯覚です。焼却に依存する現状から脱却するためにも、まずは上流のリデュース・リユースを徹底することが急務となっています。