患者が運営する闘病ブログやSNSのリアルな声を集約すると、リウマチ性多発筋痛症の本当の苦難は「診断がついた後」に始まっていることが浮き彫りになります。
ステロイド(プレドニン)を開始した直後、患者の多くは「奇跡が起きた」と感じます。前日までベッドから一歩も動けなかった激痛が、わずか数錠の内服で数日以内に劇的に霧散するためです。しかし、そこから立ち塞がるのがステロイド減量に伴うリバウンドの恐怖と外見・肉体的副作用です。
闘病記で最も多くの患者が精神的苦痛として綴るのが、「ムーンフェイス(満月様顔貌)」と「中心性肥満」です。ステロイドの脂質代謝異常作用によって顔が丸く腫れ上がり、首の後ろや胴回りに脂肪が沈着します。人前に立つ芸能人やビジネスパーソンにとって、鏡を見るたびに別人のようになっていく自らの姿は、激しい自己肯定感の低下を招きます。服部幸應氏や松井常松氏も公の場に立ち続ける中で、顔つきの変化や体調の波をコントロールする過酷なプロ意識を維持していました。
さらに過酷なのが、薬を徐々に減らしていく「テーパリング(減量)」の難しさです。症状が治まったからといって自己判断で急激に薬を減らすと、副腎機能不全を引き起こすだけでなく、病気が高確率で再燃します。一般的にプレドニンは、15mgから開始し、数週間から数カ月かけて1mg単位で慎重に減量していきます。闘病ブログには次のような切実な告白が溢れています。
「10mgから9mgに減らした途端、翌朝に肩の重だるさが戻り、再発したのではないかと恐怖で手が震えた」
「骨粗鬆症や緑内障、糖尿病の合併症を防ぐために減らさなければならないが、痛みがぶり返す悪夢と常に隣り合わせ」
単に痛みを抑えるだけでなく、数年にわたる長期的なメンタルケアと減量スケジュールの厳格な管理こそが、現場の闘病生活における真の戦場となっています。