箱根駅伝の実況は、アナウンサーにとって肉体的にも精神的にも極限状態の連続です。特にレース先頭を追う1号車・2号車などの移動中継車に乗車するアナウンサーは、狭い車内で極度の揺れや寒さと戦いながら、数時間にわたって喋り続けなければなりません。
移動車内では、手元のモニターで後続とのタイム差や全体順位を確認しつつ、汐留のセンタースタジオや中継ディレクターからの秒単位の指示をインカムで聞き取り、即座に言葉としてアウトプットするマルチタスクが求められます。急激なペース変化やアクシデントが発生した際にも、冷静さを保ちながら正確な事実を伝える技術は、長年の鍛錬の賜物です。
また、厳寒の戸塚や小田原中継所、氷点下の風が吹き荒れる芦ノ湖などで待機する中継所アナウンサーも、繰り上げスタートの緊迫したカウントダウンを1秒の狂いもなくコールする重責を担っており、失敗の許されないプレッシャーの中で放送を支えています。