リン酸コデインは、ケシ由来のアルカロイドであるコデインをリン酸塩とした化合物で、主に脳内のオピオイド受容体に作用して咳中枢を抑制する。医療現場では「リン酸コデイン錠」や「リン酸コデイン散」として、激しい乾性咳嗽(かんせいがいそう)に対する鎮咳薬として処方されてきた。しかし、その作用はモルヒネと構造的に近く、乱用や依存を招く危険性が指摘されている。
日本の法律上、コデイン及びその塩類は「麻薬及び向精神薬取締法」における麻薬に指定されている。ただし、リン酸コデインを一定濃度以下で含有する製剤については、厚生労働省が「麻薬指定から除外」する通知を出しており、1回量が20mg以下、1日量が60mg以下などの条件を満たす市販薬は例外的に一般用医薬品として流通している。この「法律上は麻薬だが、低用量なら市販できる」という二重構造が、ネット上での誤解を生む一因になっている。