放送から10年以上が経過した今も、各種SNSやレビューサイトでは『リーガル・ハイ』の再放送・配信解禁を求める声が途切れることはありません。現代のネットユーザーやドラマファンの反応を精査すると、明確な2つの潮流が観察されます。
X(旧Twitter)やYahoo!知恵袋などに寄せられるファンの投稿で圧倒的多数を占めるのは、「出演者の犯した過ちと、作品自体の芸術的・娯楽的価値は明確に切り離すべきだ」という意見です。
「古美門と黛の丁々発止の議論は、現代のコンプライアンス疲れした社会にこそ必要な劇薬」「蘭丸のスパイ活動なしに古美門の逆転劇は成立しない。作品をお蔵入りにし続けるのは文化的損失だ」といった熱烈な擁護論が目立ちます。特に、名作ドラマが動画配信プラットフォームで手軽に鑑賞できることが当たり前となった2026年代半ば以降、本作をリアルタイムで観ていなかった若い世代からも「見たいのにどこにも配信されていない」という不満が噴出しています。
一方で、テレビ局やスポンサー企業側に近い層、あるいは規範意識を重視する視聴者層からは、慎重論も根強く存在します。「薬物事件で逮捕された人物が主要キャストとして出演している作品を、公共の電波である地上波で無批判に流すことは青少年に悪影響を与える」「有料レンタルならともかく、地上波再放送で企業のCMをつけるのはリスクが高すぎる」という論理です。この「作品至上主義の視聴者感情」と「リスク回避を最優先する企業論理」の深い溝が、現在に至るまで再放送の扉を重く閉ざし続ける決定的な要因となっています。