この歴史的プロジェクトのクリエイティブの中核として名前が浮上しているのが、世界三大映画祭の常連である是枝裕和と、ベトナム出身の世界的巨匠トラン・アン・ユンだ。両者が直接的・間接的に関与する新たな国際共同製作映画の構想は、世界の映画バイヤーからも熱い視線を浴びている。
是枝裕和が紡ぎ出す家族や社会の周縁を見つめる鋭い眼差しと、トラン・アン・ユンが放つ圧倒的な映像美と官能的な叙情詩。このふたつの才能が交差する地点に生まれるのは、表面的なエキゾティシズムを排した普遍的なヒューマンドラマだ。東南アジアの急速な都市化と、失われゆく伝統の狭間で生きる市井の人々の息遣いを、妥協なきリアリズムと詩情で描き出す試みがすでに始まっている。