日光東照宮で「一生もの」として特に著名なのが、鈴鳴りの龍をあしらった「昇龍守」だ。木箱に収められたこの守り紐は、シャランと清らかでどこか凛とした美しい音色を響かせる。龍が天へと昇る姿は、運気隆盛と困難を切り開く強靭な意思の象徴にほかならない。
戦国の乱世を収め、250年以上に及ぶ平和な江戸時代の礎を築いた徳川家康。その偉大な足跡と勝運、そして幾多の試練を耐え抜いた忍耐の精神が、この昇龍守には強く宿っていると信じられている。単なる気休めの装飾品ではない。己の人生を力強く切り拓こうとする者にとって、生涯の精神的支柱となり得る逸品である。