日本の美容界は、長らく単一の美徳に支配されていました。ストレートパーマの技術が高度に発達した1990年代以降、天然パーマやくせ毛は「抑え込むべき欠点」として扱われてきたのです。中学校や高校の校則における「黒髪ストレート強要」も、この文化的な偏重を象徴していました。
潮目を変えたのは、SNSを通じた「カーリーガールメソッド(Curly Girl Method)」の世界的浸透です。海外で自分のナチュラルヘアを受け入れる人々を見た日本の若者たちが、アイロンを捨て始めました。隠すのではなく、育てる。この意識の転換が、停滞していた日本のカールケア市場に急激な熱量をもたらしています。
現在では、単なる「くせ毛抑え(抑毛)」ではなく、「カールを美しく定義する(ディフィニション)」ための製品ラインアップが急速に整いつつあります。