厚生労働省が毎年取りまとめる「簡易生命表」は、日本の死因構造や年齢別の生存確率を精密に映し出す鏡だ。ここで着目すべきは、0歳時点での生存期待値である平均寿命にとどまらない。特定の年齢に達した人がその後何年生きられるかを示す「平均余命」の着実な伸長だ。
現在、65歳を迎えた女性の平均余命はすでに24年を上回り、80歳時点でも10年近い余命が残されている。定年後の「セカンドライフ」という概念は過去のものになりつつあり、いまや四半世紀におよぶ人生の新しい章が広がっている。単なる延命ではなく、個人の人生設計そのものを根底から見直す時期が来ている。