この無法地帯化を阻止すべく、政府の取組も熱を帯びている。現場で陣頭指揮を執るのは水産庁の漁業取締船と海上保安庁の大型巡視船だ。排他的経済水域への不法侵入を未然に防ぐため、水産庁と海上保安庁は艦船を大和堆周辺に常駐させ、24時間体制での密着警戒を維持している。
取締船が違法船の艦首へ割り込み、スピーカーからの多言語による警告音声を響かせる。指示に従わずに領海やEEZ内へ侵入を続ける船に対しては、容赦なくウォーターキャノンが浴びせられる。寒風吹きすさぶ過酷な海上で、視界を遮る高圧放水と荒波が激しくぶつかり合う。一歩間違えれば衝突事故や流血の惨事につながりかねない極限状態のなかで、日本の海を守る舞台裏の攻防が今も繰り広げられている。