ホワイトハウスに再びドナルド・トランプが返り咲いたことで、ワシントンからの圧力と不透明感は一気に増した。「自国の防衛は自国で賄うべきだ」とするトランプ流の取引型外交は、米国の拡大抑止、すなわち核の傘への無条件の信頼を根底から揺さぶっている。防衛省幹部の一人は「米軍が自国の主要都市を犠牲にしてまで東京を守るのかという疑問は、もはや同盟内でも公然の秘密だ」と漏らす。
これに対し、防衛省や外務省の内部では、従来の防衛大綱の枠組みを越えた多様なシミュレーションが行われている。非核三原則のうち「持ち込ませず」の解釈変更を模索する動きや、米軍の核戦力配備を巡る事務レベルの協議など、公式には否定されつつも、水面下の政策オプションは確実に広がっている。