国内でいくら議論が紛糾しようとも、国境の外側のルールは極めて合理的だ。国際連合のプロトコル(儀礼基準)や各国外務省の公式文書において、天皇は一貫して「国家元首(Head of State)」としての最高級の礼遇を受けている。
外国の元首が国賓として来日した際、宮中晩餐会を主催し、皇居で歓迎行事を行うのは天皇である。国際慣例上、これは元首同士にしか許されない最高位の儀礼だ。一方で、首相が主催する首脳会談や公式夕食会は「政府の長(Head of Government)」としての接遇として位置づけられる。国際外交の舞台において、諸外国は日本に「元首(天皇)」と「行政府の長(首相)」が両方存在しているという前提で、寸分の狂いもなくプロトコルを運用している。