日本全国津々浦々の銭湯を支えている現役の銭湯絵師は、実質的に中島盛夫氏と田中みずき氏の2名、そして若手を含めてもわずか3名ほどしか存在しません。かつて二大巨頭として業界を牽引した重鎮・丸山清人氏が2026年に逝去して以降、専業の正規職人による制作体制は極めてタイトな状況が続いています。
現代の名工にも選ばれた中島盛夫氏は、半世紀以上にわたり数千枚もの壁画を手掛けてきた最高峰のレジェンドです。足場を軽快に行き来しながら一気に大空を描き出す圧倒的なスピードとダイナミズムは、国内外のアート界からも高い評価を受けています。
一方、丸山清人氏の唯一の弟子として独立を果たした田中みずき氏は、業界初となる女性銭湯絵師として脚光を浴びました。伝統の技術を忠実に継承しつつ、女性ならではの繊細な色彩感覚や柔らかな筆致を取り入れ、銭湯のみならずオフィス空間やイベント会場など活躍の場を大きく広げています。