日本の金鉱山を語る上で外せないのが、鹿児島県伊佐市に位置する住友金属鉱山運営の菱刈鉱山(ひしかりこうざん)です。1981年の大鉱脈発見以来、現在も商業生産を続ける日本唯一の大規模な金鉱山であり、その品位は世界中の鉱山関係者を驚かせ続けています。
菱刈鉱山の最大の特徴は、鉱石1トン中に含まれる金の割合を示す「平均品位」の高さにあります。世界の大規模金鉱山における平均品位が鉱石1トンあたり約3〜5グラムであるのに対し、菱刈鉱山は操業開始以来、平均して約20〜40グラムという驚異的な数値を叩き出してきました。過去には1トン中に数百グラムもの金を含む超高品位の鉱石も採掘されています。
歴史的な名鉱山である佐渡金山が約400年間の歴史の中で産出した金が約78トンであったのに対し、菱刈鉱山は開山からわずか40余年で累計260トン以上の金を産出。現在の推定残存埋蔵量も約150トン規模と見積もられており、地下深部への探鉱や下部鉱床の開拓によって、その寿命を伸ばし続けています。