日本一の黄金巨木に息を呑む!深浦が誇る千年の威容と光の巡礼路を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。

幹周り22メートルという数値は、イチョウの木として日本一の太さを誇る。環境省の巨樹・巨木林調査でも頂点に君臨し、文化庁によって国指定天然記念物に指定されている。平安の昔からこの海辺に根を張り、幾多の暴風雪、津波、落雷を潜り抜けてきた生命の塊だ。

樹上に無数に垂れ下がる気根は「垂乳根(たらちね)」と呼ばれ、古くから母乳の出に悩む女性たちが祈願に訪れる民間信仰の対象となってきた。樹皮に触れ、祈りを捧げると母乳が豊かに出るという言い伝えは、いまも地域に色濃く残る。単なる自然物ではなく、共同体の守り神、あるいは生命を授ける母神として大切に保護されてきた歴史がここにある。

樹下へ足を踏み入れると、土の匂いとイチョウ独特の甘酸っぱい香りが混ざり合い、皮膚感覚としてその生命力を実感できる。根系を痛めないよう設置された木道を歩きながら幹を見上げると、幾重にも重なり合ってねじれた木肌が、千年の歳月の重みを静かに物語っている。