スマートフォンを取り出し、食べログの評点やGoogle マップの口コミをなぞるだけでは、久留米焼き鳥の真の旨さには辿り着けない。高評価の有名店が素晴らしいのは当然だが、星の数に現れない路地裏の赤提灯にこそ、創業半世紀を超える職人の凄腕が潜んでいる。
狙い目は、夕方17時の開店直後から地元の常連でカウンターが埋まる小体な店だ。大将が仕入れたばかりの新鮮なモツを手際よくさばき、無駄のない所作で団扇を扇ぐ。メニュー表を見ずとも「今日のおすすめで」と頼めば、黒板にも載っていない希少部位がサッと差し出されることもある。デジタルの点数に惑わされず、自らの鼻と提灯の灯りを頼りに暖簾をくぐる勇気こそ、この街を遊び尽くす最大の武器だ。