太田山神社が全国メディアや登山コミュニティで「日本一危険」と称される背景には、誇張ではない明確な地形的要因があります。参拝というよりは本格的なロッククライミングに近い工程が存在するためです。
危険視される最大の理由は、参道入口直後に立ちはだかる平均傾斜約45〜50度・全139段の急階段です。手すり代わりのロープを掴まなければ直立を保つことすら難しく、振り返ると吸い込まれそうな高度感に圧倒されます。階段の段差は不均一で、足を踏み外せば下まで滑落する危険が常に付きまといます。
第二の関門は、階段を登りきった後に続く過酷な山道です。木の根や滑りやすい粘土質の急斜面をロープを頼りに登る区間が約1時間続きます。道中は整備された遊歩道ではなく、未開の山岳古道そのものであり、足腰への負担は相当なものとなります。
そして最大の難所が、本殿直下にそびえる「北尋坊(きたひんぼう)の断崖」です。高さ約7メートル、ほぼ垂直の岩壁に垂らされた鉄の鎖と足場用の鉄輪を使い、腕力と体幹だけで身体を引き上げて岩窟の本殿へ進入します。足元は数十メートル切れ落ちた絶壁となっており、万が一の落下は致命傷に直結します。