この夜、ピッチ上で別格の存在感を放ったのが久保建英だ。ラ・リーガの屈強なDF陣を手玉に取ってきたテクニックと状況判断力は、相手守備陣にとって悪夢以外の何物でもなかった。ハーフスペースでボールを引き出し、ワンタッチで前を向く。スペインのプレッシング網を単身で無力化するそのプレーは、日本の攻撃に決定的なテンポを生み出していた。
試合後、険しい表情を崩さなかったサッカースペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、日本の進化に強い警戒感を露わにした。「我々はボールを保持しながらも、最も危険なエリアを日本に制圧されていた。特にタケ(久保)のポジショニングと判断スピードはアンストッパブルだった。日本はもはや、組織力だけのチームではない」。名将の言葉には、確かな危機感が滲んでいた。