FIFA世界ランキングを巡っては、ライト層を中心にいくつかの典型的な誤解が流通しています。正しく情勢を把握するために、以下の2つの盲点を押さえておく必要があります。
第一の誤解は、「親善試合で格上に勝てばランキングが劇的に跳ね上がる」という思い込みです。前述の通り、親善試合の重要度係数(I)は「10」に設定されており、ワールドカップ本大会の「50〜60」と比較すると5分の1から6分の1の影響力しかありません。どんなに欧州遠征で強豪に快勝しても、親善試合だけで一気に5ランク以上ジャンプアップすることは数学的に不可能な設計となっています。
第二の誤解は、「ランキングが上のチームが必ず強い」という絶対視です。大陸選手権のレベル(欧州選手権とアジアカップの難易度差)や、予選で対戦する地域の平均レベルの違いにより、同じ15位前後の国であっても欧州勢とアジア勢では直面してきたマッチ強度が異なります。ランキングは「過去の一定期間における結果の集積」であり、「明日の試合の勝敗を保証する予知能力」ではないことを理解することが重要です。