劇場の臨場感を正しく把握するためには、まず基本的な設計数値を把握しておくことが欠かせません。日本青年館ホールのキャパシティは総数1,249席で構成されており、内訳は1階席が829席、2階席が420席となっています。客席と舞台の一体感を重視したスタジアム形状に近いプロセニアム型劇場であり、舞台開口部から最後列までの物理的な距離は約25〜28メートル程度に収まるコンパクトな設計が特徴です。
座席表を確認すると、1階席は横列が最大で44席(中央通路を挟んで左右対称)、縦列はA列からS列までの19列で構成されています。一方の2階席は1列目から10列目までが配置され、客席の傾斜角度が1階に比べて急勾配に設計されています。この「1階の前方フラット・中後方スロープ」と「2階のすり鉢状急傾斜」という高低差の設計思想の違いこそが、座席ごとの見え方に大きな評価の分かれ道を生み出しています。