事故や大手術などで緊急輸血が必要になった際、Rhマイナスの患者にはどのような対応が取られるのでしょうか。医療安全の原則において、「Rhマイナスの患者にはRhマイナスの血液を輸血する」のが鉄則です。Rhマイナスの人にRhプラスの血液を輸血すると、体内で抗D抗体が作られてしまい、将来的な輸血時に重篤な溶血反応を引き起こす恐れがあるためです。
ただし、分刻みを争う超緊急時でRhマイナスの在庫が払底している生命危機状況においては、医師の厳格な判断のもと、未感作の男性や閉経後の女性に対してRhプラス血を一時的に使用する緊急プロトコルが適用されるケースもあります。なお、逆にRhプラスの患者に対してRhマイナスの血液を輸血することは、抗原を持たないため免疫学的に安全であり、血液の需給調整上やむを得ない場合に実施されます。
日本赤十字社では、Rhマイナスをはじめとする希少血液の需要に応えるため、全国規模の血液センター間でオンライン需給連携を行っています。Rhマイナスの登録献血者ネットワークが組織されており、突発的な大量輸血要請にも数時間単位で全国から融通・空輸できる体制が敷かれています。