かつて過熱を極めたバッシング報道から、共感と理解をベースとした報道へ。日本のジャーナリズム・皇室報道は、雅子さまのご療養を通じて自らの倫理性を厳しく問われることとなった。かつては些細な表情の変化や行事の欠席をセンセーショナルに書き立てていた週刊誌メディアも、過度な詮索がいかに当事者を傷つけるかを痛感させられることになる。
長寿番組である『皇室アルバム』や、NHKの特集番組などが映し出す映像のトーンも、時代とともに大きく変化した。病を個人の責任に帰するのではなく、制度と個人の調和という構造的な問題として捉え直す視点。皇室を単なるゴシップの対象から、人間的な尊厳を持った存在として報じる姿勢へと、メディア全体の成熟が促されたのである。