この問題が最も深刻な実害を及ぼすのが職場環境です。厚生労働省が実施する「個別労働紛争解決制度施行状況」や職場のハラスメントに関する各種実態調査でも、いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントの相談件数は高止まりを続けており、その中核には職場で人を見下す上司の真相が横たわっています。
部下を見下す管理職の多くは、プレイヤーとしての過去の成功体験から脱却できていないか、自身のマネジメント能力の欠如を隠蔽しようとしています。部下を対等なビジネスパートナーとして育成する実力がないため、恐怖と侮蔑によって相手を心理的に萎縮させ、絶対的な服従関係を築こうと画策します。
こうした上司が存在する現場では、心理的安全性が完全に崩壊します。部下はミスを報告すれば嘲笑され叱責されると確信しているため、重要なトラブルの隠蔽が常態化します。優秀な若手や中堅社員から静かに退職届を提出し、残るのはパワハラに耐える気力を失った社員のみとなるため、組織の生産性は致命的なレベルまで落ち込みます。