この独創的な表現技法の源流を探ると、原作者・板垣恵介の異色の経歴と独自の漫画哲学にたどり着く。陸上自衛隊での経験やボクシングで培ったリアルな身体感覚は、秋田書店が発行する「週刊少年チャンピオン」の紙面で唯一無二の描写力として開花した。
板垣氏が描くコマ割りは、常に「本物の人間がその場にいた証拠」を積み重ねる作業に他ならない。漫画の制作裏話としても知られるが、板垣氏は現実の格闘技取材で得た空気感やインタビューの手触りを、そのままフィクションのコマへと流し込んでいる。誌面で培われた強烈なリアリズムのDNAが、そのまま映像演出のバックボーンとなっている。