クラシックな湯の街に強烈なカウンターカルチャーをもたらしたのが、カバのロゴで知られる「熱海プリン」の登場だった。どこか懐かしいレトロな牛乳瓶スタイルと、とろけるような滑らかな舌触り。SNSでの拡散をきっかけに火がついたこのムーブメントは、市内の製菓業全体に凄まじい刺激を与えた。
グルメサイト「食べログ」でも連日高評価がつき、行列が途切れることはない。だが、ブームは単なる一過性の現象にとどまらなかった。地域の特産品である「熱海橙(だいだい)」や伊豆産ニューサマーオレンジ、静岡茶を取り入れた新感覚の焼き菓子やタルトが次々と誕生。伝統ある温泉街の職人魂と若い世代のクリエイティビティが融合し、熱海のスイーツシーンはかつてない高みへと押し上げられている。