この研究会は、単なる野次馬的な興味から生まれたものではない。メンバーは元警察官、裏社会を取材し続けるフリージャーナリスト、そして暴力団離脱者の更生を支援する司法書士などで構成されている。彼らを突き動かしたのは、「昭和から平成にかけて日本の社会構造の裏側に存在したヤクザという生態系が、どのように消滅していくのかを正確に記録しなければならない」という強い危機感だった。
暴力団は単なる犯罪集団ではなく、かつては地域社会のグレーゾーンに根ざした相互扶助的な側面も持っていた。しかし、暴排条例の浸透によってその存在は完全に「悪」と定義され、社会から徹底的に排除された。その過程で何が起き、どのような歪みが生まれたのか。研究会は、メディアが報じない末端組員たちの生活苦や、組織の崩壊プロセスを克明にデータ化している。