こうした閉塞感を打破すべく登場したのが、テクノロジーを活用した「デジタルお互い様」の仕組みだ。かつて昭和の時代に存在した、醤油の貸し借りや子供の預け合いといった「長屋文化」が、位置情報とスマートフォンのアプリを介して現代に蘇っている。
「余った食材を近所の人に譲る」「仕事帰りに隣の家のペットに餌をあげる」といった、ほんの些細な困りごとをマッチングするプラットフォームが、今や都市部を中心に爆発的な広がりを見せている。金銭のやり取りを介さない、あるいは極めて少額のポイントで回るこのシステムは、ビジネスライクなサービスとは一線を画す。そこにあるのは、互いの善意を信頼するという、極めて人間味のあるやり取りだ。