事態が動き出したのは、今年に入ってすぐのことだ。それまで黒衣に徹してきた彼が突如として記者会見を開き、自らの構想をぶちまけた。その内容は、地方自治体が独自の財源と再生可能エネルギー網を構築し、国からの補助金依存から完全に脱却するというものだ。官僚たちの反応は早かった。ある経済産業省の中堅幹部は、「これは既存の法秩序に対する挑戦だ」と匿名を条件に怒りをあらわにする。
しかし、彼の言葉には不思議な説得力がある。机上の空論ではない。すでにいくつかの先進的な自治体と水面下で交渉を進め、実証実験の段階に入っているというのだ。このスピード感こそが、永田町の住人たちを最も焦らせている要因に他ならない。