結論から言うと、ランタン(lantern)は外来語であるため、現代の公的な日本語において単一の「正式な漢字」が定められているわけではありません。しかし、翻訳や当て字、和名としての漢字表記には確固たる文化的背景が存在します。
明治期から近代にかけて西洋のランタンが輸入された際、日本の既存の照明具になぞらえて「洋灯(ようとう/らんぷ・らんたん)」や「手提灯(てぢょうちん)」という漢字が当てられました。また、英語の「lantern」を日英辞典で引くと筆頭に現れるのが「提灯」です。つまり、概念的な和名訳としては「提灯」や「携帯用灯火器」が最も正確な対応関係にあります。
一方、中国語(漢語)圏におけるランタンの表記を見ると、手持ちのランタンは「手提灯(手提燈)」や「風灯(風燈)」、伝統的な吊り下げ型や置き型のものは「灯籠(燈籠)」と表記されます。風を遮るガラスや覆いを持つ構造的特徴が、漢字の意味そのものに美しく反映されているのです。